私がヨルダンと聞いて、思い浮かぶのは「死海」「ペトラ遺跡」「砂漠」「危険?」などです。
あまり知らないからこそ
「気になる、しかも観光ではなく”住んでみた”とある。」
そんな気軽な気持ちからこの本を手に取りました。
本の紹介
著者のフウさんが、ネットで一目惚れしたヨルダンの本屋さんに住み込みで働いていた間の体験をまとめたエッセイ本。
本屋や一緒に過ごした人たちとの写真が多いです。本屋の雰囲気もみんなの表情もとっても素敵です。
青い壁、たわわに実るオレンジ、明るい黄色のドアとメニュー表、フウさんの素敵な笑顔、屋根に当たる日差し、どれをとっても爽やかな良い写真の表紙!
感想
著者フウさんの行動力がすごい!のひとこと。
海外に滞在してみたいと思い、ピンときたとあるヨルダンの本屋にメールで連絡。
滞在の許可がでたら、旅費を貯めるためにバイト。そしてヨルダンへ!
ここまでのスピード感はすごいです。
滞在中に感じたことや出来事が、コミカルに書かれています。
文章を読んでいるのに、まるで目の前で話を聞いてるかのようでした。
本屋で一緒に過ごした仲間たちは、イタリアやフランス、イギリスなど多国籍の出身者が
集まっていたとのことです。
思いもよらぬ形で自然と起こる異文化交流は、読んでいて考えさせられるエピソードが多いです。
とても共感したエピソードはクッキー作りでのこと。
カフェのレジ横に置くクッキーを作っていたとき。できあがったクッキーは焦げていたとのこと。
焦げたクッキーの焦げを削り取る作業中、一緒に作業していた仲間たちは途中で何も言わず離脱。。。
なぜ皆いなくなった??と思いながらも
フウさんだけ作業していたところ、「仕事は自分で終わらせないと」ということを言われるのです。
詳しくはぜひ本の”9:クッキー作りと人生”を読むか、フウさんのnote↓を御覧ください

なんて哲学的で素晴らしい考え、ついつい自分のことを後回しにしがちな日本人には刺さる言葉だなぁと思いました。
が!、結局それで誰もやらなかったらどうすんのーーーー!と心の中でツッコミました。
いや、絶対誰もやらないでしょ!それならもういっそ「大変だし捨てよう」って言ってほしい。。。
それも全て含めて、「終わり」を自分で決めなさいってことなのか?
だけど急にみんな黙っていなくなったら、わからないじゃーん
みんなで始めたことなら、みんなでこれを最後どうするのか話し合って決めるものだと思ってしまうのは、日本人的な考え方なのかもしれません。
noteも本もどっちもおすすめ
フウさんのnoteの記事が書籍化された『ヨルダンの本屋に住んでみた』。
私は、本をきっかけにnoteの記事を知りました。
なので本を読み終わったあと、noteの記事を見ました。
本ではモノクロだった写真や、本には載っていなかった写真があがっているので、
本を読んだあとでも記事を楽しめます。
また、本ではカットされている部分もあります。
例えば、本で唐突に出てきたアリスが描いた6コマ漫画。
本ではそのエピソードは書かれていませんが、note記事では
そのいきさつが書かれています。
ぜひ本も記事も両方読むことをおすすめします。
もし本を読んで満足している方、もったいないです。
記事も読んでみてください。
興味の枝 読んで気になったことを調べてみる
「ヨルダンの本屋に住んでみた」を読み終わって気になったことや
疑問に思ったことを深堀りしてみたいと思い、いくつか本を読みました。
同じような興味を持った方がいましたら、下記の本を参考にしてみてください。
ヨルダンってどんな国?
そんな方にはこちら↓
- 地球の歩き方 2019〜20 ペトラ遺跡とヨルダン レバノン
言わずとしれた有名な旅行ガイドブック。
2025年10月現在、最新が2019〜2020です。
歴史やその土地に住む民族、宗教に関することから
観光地、ホテル、レストランまで。
とにかく、これを一冊読めばヨルダン・レバノン旅行はバッチリ!
と思わせてくれるほどの情報量です。
さすがにフウさんが行った本屋「Kawon Bookstore」は載っていませんが、、、
「ヨルダンの本屋に住んでみた」を読みながら、
フウさんが見た景色はこんな感じかな?
とイメージしてみるのはいかがでしょう。
ヨルダンで入国する際、フウさんように悩んでしまう日本人のための情報も書いてあります。
日本人は、ビザの購入を免除されているので、「ビザ免除」のカウンターへ行けば、無料でビザが手に入るとのことです。
また運転中にボンネットが開くとまでは書いてませんが
運転はかなり荒いと2箇所で書かれ、
運転の様子は想像を絶するとまで言っています。
ヨルダンに行くときは、覚悟して車に乗るようですね。
卵にケチャップは日本だけ?
そんな方はこちら↓
- パスタぎらい 著者ヤマザキマリ
「テルマエ・ロマエ」で有名なヤマザキマリさんの著書。
卵にチャップどころか、イタリア人はケチャップが嫌いとのこと。
そんなイタリア人にナポリタンを食べさせたところ、意外にも受け入れられた
というお話が載っています。

また↑でも紹介されているように、やはりイタリアではケチャップはありえないよう。。。
ヨルダンの本屋でオムライスを振る舞った際、卵にケチャップの組み合わせを皆が驚いたと書かれていました。メンバーのなかで、イタリア出身のラウラはもしかしたら一番「ありえない!」と思ったかもしれませんね
なかなか卵にケチャップがありかなしか、までは調べられませんが
おそらくその組み合わせは日本だけなのかもしれません。
なぜヨルダンの人は道路もない砂漠で迷わず運転できるの?
そんな方はこちら↓
- アラブからこんにちは 著者ハムダなおこ
著者のハムダさんが暮らすのは、ヨルダンではなくUAEです。
そしてUAE人の旦那さんもやはり砂漠で迷うことなく目的地まで車を
走らせる姿に驚いていました。
現在のUAEの姿からは、想像できないほど、まだ貧しい国だったころ。
砂漠に住む人達は、コンパスも時計も地図ももちろんGPSがなくても
太陽と星、砂にできる影の角度などから目的地と自分の今いる位置を
正確に理解して砂漠を進んでいたと書かれています。
グーグルマップを使ってやっと目的地にたどり着ける私からは、
想像できないほどの研ぎ澄まされた感覚だと驚いてしまいました。
ヨルダンの砂漠で暮らす人達にもきっと
備わっている素晴らしい感覚なのでしょうね。


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